草舟座右銘

第2回「戸嶋靖昌 ―スペイン代表作品―」展

草舟コレクションの先に 展覧会パネル文章

戸嶋靖昌は、ひとつの直接性である。文明を突き抜け、それをえぐり、つんざいて進む。いつの日も、己が運命に抗うことが、その芸術を支えていた。画伯の精神が、永遠と交叉した時、そこには、いつでも「ある哀しみ」が現成されていた。生ききるために、戸嶋は自らが持つ不屈の魂を抱き締めていたのだ。運命の女神が、この芸術家にほほえみかけたのであろう。だからこそ、戸嶋自身の持つ野蛮性が哭きいさちる聖性を生みだしたのである。その涙は、深い痕跡として画布を刻んでいる。生きながら死に、死にながら生きた。そして何よりも、全てを捨てて、ひたすらに芸術と対決し続けた。その七十二年の生涯は「魅せられたる魂」―L’âme enchantèe(ラーム・アンシャンテ)という言葉が最もふさわしいに違いない。

執行草舟
〈展覧会名〉
第2回「戸嶋靖昌 ―スペイン代表作品―」展
〈会期〉
2012年4月1日~8月16日
〈概要〉
戸嶋靖昌記念館で始めて戸嶋靖昌の作品を展示した展覧会です。今回は、多くの作品の中でも特に戸嶋のスペイン時代を代表する作品を中心に展示しました。

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