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第15回「創造への道―Camino a la Creación―」展

創造の弁証法 展覧会パネル文章

 創造とは、対立と変転が生み出した「結晶」に他ならない。だから生命の悲痛だけが、その創造に愛を与え続けることが出来るのだろう。苦悩が生み出す愛が、創造の本質を形創っている。己れの生命を捧げ尽した「場所」にだけ、創造の結晶が生ずる。無限に向かう悲しみの中に、有限の形を創造する原動力がある。無限があって、初めて有限がある。非日常があって、初めて日常がある。己れの命を捨てることによって、初めて真の命を得ることが出来るのだ。無限に向かう悲しみを持たない生命に、有限を形創ることは出来ない。生と死、そして愛と憤怒がぶつかり合い、火花を散らすことによって「何ものか」が立ち上がって来る。その立ち上がって来たものが、我々の生命を震撼させるのだ。そこには、創造の弁証法が働くことになるだろう。戸嶋靖昌とは、この「創造の弁証法」の真っ只中を生き切った命なのである。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉2004年 虎ノ門のアトリエにて
    「風の草舟」(戸嶋靖昌)制作過程
  • 〈展覧会イメージ作品〉冬の旅
    ―四つのかりん― 制作過程
〈展覧会名〉
第15回「創造への道―Camino a la Creación―」展
〈会期〉
2017年9月1日~2018年2月3日
〈概要〉
戸嶋靖昌の作品ができあがるまでの創造の過程を追って、油絵、彫刻の移りゆく形、表情の変化を制作途中の貴重な資料と組み合わせて展示しました。

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