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第21回「時の在る風景-永遠をつなぐ-」展

時の在る風景 展覧会パネル文章

人間の生命は、時間の中に投げ出された宇宙的実存である。それは、我々の人生が、宇宙の変転とともに在ることを示している。しかし我々は、そこに峨々として屹立する垂直の「混沌」を見ることになるだろう。それこそが、真の芸術における「時間化作用」なのだ。生命のもつ不合理が、宇宙の秩序を身の内に呑み込んだ姿と言ってもいい。宇宙の雄叫びが、人間の生命の中に溶融していく。そして人間自身の叫びとして、この世に再び甦って来た姿だ。永遠を自己の生命に招き入れた者だけが、それを成し遂げることが出来る。それは原始を現代に現成させる力だ。我々を生み出した神話を、我々の人生の中に再現させる力だ。時間を永遠に繋ぎ、そしてその時間を消滅させる力に他ならない。それが時間を、生命の中に取り込んだ芸術なのだ。つまり、時間を自己の生命に滅入させた者だけが成し得る、真の芸術に違いない。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉「牧人」 阿部平臣 画
  • 〈展覧会イメージ作品〉「石歴」 阿部平臣 画
〈展覧会名〉
第21回「時の在る風景-永遠をつなぐ-」展
〈会期〉
2019年12月16日~2020年4月11日
〈概要〉
執行草舟コレクションの洋画家たちの描いた「時の在る風景」を展示します。戸嶋靖昌、平野遼他、新たにコレクションに加わる阿部平臣の絵画を初公開いたします。―― 景色は移り、人は去る。思索の筆は永遠に加えられ、いま、ここで未完となる。画家の求めた時は、果たしてどこに在ったのか。時空を超えた鑑賞のひとときをお楽しみください。

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