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第26回「静と動」展

静と動 展覧会パネル文章

「静と動」の交錯が、宇宙と生命そして文明の根底を支えている。その交錯は、この世にめきを放射し、また混沌の暗黒を招き入れる。ロシアの哲学者ニコライ・ベルジャーエフは、その交錯エネルギーを「動力学的ダイナミズム」と名付けていた。それは、キリスト教のもつ高貴性と野蛮性が放つ、崇高な回転運動について言っていたのだ。この回転運動を、この地上に正しく投射できた者が、歴史に輝かしい生命の息吹きを刻み込んで来た。静があるから、動が生きる。また動があるから、生がるのだ。この法則を会得するために、我々人類の文化のすべてが存在していると言っても過言ではない。特に宗教と芸術において、それは著しい価値観を創り上げて来たのだ。「生きるか、死ぬか」の上に、我々の文化がある。崇高な文化とは、命がけの生き方をその人生で体現した人々の所産に他ならない。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉傾 山口長男 画
  • 〈展覧会イメージ作品〉肖像 石田淳一 画
〈展覧会名〉
第26回「静と動」 展
〈会期〉
2021年7月5日(月)~2021年9月25日(土)
〈概要〉
静のただ中にある動――。動かぬものが動くものをなしている。この激動するものを静となすのもまた芸術なのではないでしょうか。生命の奔流がうちよせ、波の跡にその騒めきを聴く。この生命の痕跡としての芸術を為す山口長男、戸嶋靖昌を中心に、その他未公開作品も多く展示します。

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