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第7回「我と汝 ―山口長男と戸嶋靖昌―」展

我と汝 展覧会パネル文章

 戸嶋靖昌は信仰的である。つまり、戸嶋は永遠を志向する「何ものか」を見ているのだ。その芸術は、生きることの神秘と、己れ自身との触れ合いであった。それを摑もうとする「精神」そのものが戸嶋なのだ。万物がもつ神秘の中に、戸嶋の生命が存在する。戸嶋は、己れの肉体を踏みつけることによって、その神秘をこの世に顕現しようとしているのだ。私は、その躍動を戸嶋自身の生命の「復活」とみる。この画家は、死にながら生き、芸術の中に「復活」した。その「祈り」が、作品を底辺で支えているのである。「最初の人間であらねばならぬ」。そう戸嶋は思い続けていた。その思いが、山口長男との出会いを生んだのであろう。戸嶋は、山口の芸術の中に、いつでも永遠を感じていた。そして、その思いが、山口長男との出会いを生んだのであろう。戸嶋は、山口の芸術の中に、いつでも永遠を感じていた。そして、その芸術が奏でる響きと交感し続けたのだ。この師弟は、真の「我と汝」と成り果て、永遠の彼方にある「涙の日」(Lacrimosa)に再び交叉するに違いない。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉左絵:「屈折」 山口長男 画
  • 〈展覧会イメージ作品〉「黒の草舟」 戸嶋靖昌 画
〈展覧会名〉
第7回「我と汝 ―山口長男と戸嶋靖昌―」展
〈会期〉
2013年9月17日~12月7日
〈概要〉
戸嶋靖昌は武蔵野美術大学在学当時から、山口長男に教えを受け、また、画家として芸術を追求する姿勢を尊敬し、山口のことを「芸術の恩人」と語っていました。武蔵美を卒業した後も、戸嶋は山口と深い親交があり、戸嶋の資料に残っていた二人の対話の記録から、「我と汝―山口長男と戸嶋靖昌の対話―」と題した小冊子をこの度刊行いたしました。今回の展示では、「師弟」再会の意を込め、戸嶋靖昌の作品とともに、山口長男の作品を展示いたします。

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